雨上がりや舗装のされていない道などを歩いた後、気を付けていてもソールやアッパーにこびりついてしまう泥汚れ。
泥汚れはしばらく放置してしまうと、落としにくくなる厄介な汚れです。
ただ、スニーカーについた泥汚れを落としたくても、
- 汚れが布部分の繊維に入り込んで落ちなそう
- ここまで汚れたスニーカーをクリーニングした経験がなくて不安
このようなお悩みもでてきますよね。
そんな頑固な泥汚れですが、強い洗浄成分を持つ専用クリーナーを使ったクリーニングで、スニーカーの素材ダメージに配慮しながら落とすことが可能です。
本記事では、泥汚れを放置した場合のリスクや落とす際の注意点、そして専用洗剤を使った具体的なクリーニング手順まで詳しく解説します。
スニーカーの泥汚れにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
泥汚れを放置するとどうなる?

泥汚れは乾燥すると繊維の奥まで入り込み、通常のブラッシングでは取り除きにくくなります。
また泥の中には細かい砂や不純物が含まれており、生地を傷めたり変色の原因になることも。
特に布地やメッシュ素材のスニーカーでは、放置するほどシミが残りやすくなるため、早めの対応が重要です。
泥汚れを落とす際の注意点2つ
泥汚れがひどいスニーカーを洗う際には、下記2点に注意しましょう。
- 洗剤使用前のブラッシングで極力泥を落とす
- 水による丸洗いはNG
上記は通常のスニーカークリーニングにおいても共通する点ではあるのですが、泥汚れでは特に意識したいポイントとなります。
洗剤使用前のブラッシングで極力泥を落とす
泥が乾いた状態でゴシゴシ擦ってしまうと、生地を傷つけたり泥がさらに奥に入り込む原因になってしまうことも。
まずは専用洗剤を使う前に、乾いたブラシで土や泥を極力落としておくことが大切です。
こうすることで、
- 泡立ちが良くなりクリーナーの節約になる
- 泥や土の細かい粒子による傷付けリスク低減
- 汚れの強い箇所がはっきりと見えて効率的に洗える
といったようなことに繋がります。
水による丸洗いはNG
「ひどい泥汚れ=水洗い」
こんなイメージを浮かべがちですが、デリケート素材で構成されていることの多いスニーカーで、水による丸洗いは基本的にNGです。
素材によっては変形や接着剤の劣化、色落ちの原因になってしまいます。
変形のしやすいレザー、シミになりやすいレザーやスエード、接着剤でソールが付いているモデルでは特に注意しましょう。
ただし、メッシュやキャンバスのような布地素材+ゴムソールのような「水に強い素材構成」であれば丸洗いもOK。
自身が洗いたいスニーカーの構成によく注意して判断することが大切です。
スニーカーの泥汚れの落とし方

それでは実際にスニーカーの泥汚れに対するクリーニングについて解説していきます。
- 容器に水とリキッドクリーナーを混ぜた洗浄液を作る
- シューキーパーをセット
- スニーカーを徹底的にブラッシング
- スニーカー用消しゴムでこすれ汚れを落とす
- リキッドクリーナーを使ったクリーニング
- 洗浄液に漬けておいた靴紐をもみ洗い
- 布素材のシミを落とす
- +α ソールの黄ばみ取り
スニーカーの状態によって工程数は変わりますが、1~6については共通の工程でクリーニングをしていきます。
また、泥汚れはかなり頑固な部類の汚れになるため、クリーナーは洗浄力の高いリキッドクリーナーを使用していきます。
ほぼ全ての素材に対応し、泥汚れ以外の各種頑固汚れにも使用できるため、たまにのスニーカークリーニングでまとめて汚れを落とすような方にもおすすめです。
それでは詳細手順を解説します。
1.容器に水とリキッドクリーナーを混ぜた洗浄液を作る
クリーニングの準備段階としてシューレース(靴紐)を外し、靴紐を洗うための洗浄液を作ります。
小さめの容器に水を張り、リキッドクリーナーを少量混ぜればOK。
外した靴紐は靴紐の繊維に入り込んでしまった汚れを浮かせるため、洗浄液に浸しておき、クリーニングの最後に洗います。
2.シューキーパーをセット
シューキーパーは型崩れ防止だけでなく、クリーニングでも大いに役立つアイテム。
シューキーパーをセットすることで
- シワが伸びて隙間汚れにブラシ先端が届く
- ブラシを当ててもアッパーがヘタレずに洗いやすい
上記のようなメリットがあります。
3.スニーカーを徹底的にブラッシング
他の汚れでも行う「何もつけない状態でのブラッシング」ですが、冒頭でもお話しした通り、泥汚れの場合はより徹底的に行います。
アッパーやソールはもちろん、素材同士の重なる部分、ステッチ(縫い糸)の凹みなど、表面から隙間まで忘れずにブラッシングしていきます。
この工程による手間のかけ方によって、この後の工程に影響してきますので、できるだけ土や泥を除去しておきましょう。
ブラッシング終了後、汚れたブラシは水洗いできれいにしてOKです。
4.スニーカー用消しゴムで擦れ汚れを落とす
ある程度泥汚れなどが落ちるとスニーカーの表面が見えるため、擦れ汚れなどが目に付くと思います。(特に無ければ次の工程5に進んでOK)
黒くこびりついたような擦れ汚れは性質上、ブラシでのクリーニングで完全に除去することが難しい場合があるため、事前にスニーカー用消しゴムで落としておくのが◎。
レザーやミッドソールには白側、スエードなどの起毛素材には黒側を使ってアプローチしていきます。
どちらも力いっぱいに当ててしまうと素材を痛める可能性があるため注意。
使い方としては、軽い力でくるくる動かしながら当てるのを繰り返して汚れを取るイメージです。
5.リキッドクリーナーを使ったクリーニング
本命のクリーナーを使ったクリーニングです。
- ブラシ先端を水で濡らす
- リキッドクリーナーをブラシに直接垂らす
- スニーカーを洗う
- 吸水性の良いタオルなどでしっかり拭き取る
上記の手順でクリーニングを行います。
スニーカーを洗う際は、パーツ事にブロック分けして「3.洗う」「4.拭き取る」を繰り返す洗い方が◎。
ちなみに、スニーカークリーナーの拭き取り不足は黄ばみの原因となります。
液体タイプのリキッドクリーナーは拭き残しがでやすいため、キットに付属の吸水性の良いタオルなどで確実に拭き取りましょう。
6.洗浄液に漬けておいた靴紐をもみ洗い
本体のクリーニングが終わったら、最初に洗浄液に漬けておいた靴紐を洗っていきます。
漬けておいたことで繊維の奥にクリーナーの成分が入り込んでいるため、指で優しくもみ洗いをするだけで汚れを除去することができます。
基本的にすすぎは不要で、洗い終えたら靴紐の水分をタオルで拭き取るだけ。
ただ、あまりにも洗浄液がよごれていたり、気になる方は水によるすすぎをしてもOKです。
ある程度水気を切ることができたら、陰干しでしっかり乾かしてからスニーカーに戻しましょう。
7.布素材のシミを落とす
クリーニング後、シュータンやライナーなどの布素材に取り切れなかったシミ汚れがある場合は、シミ除去剤でのアプローチが有効。
使い方は簡単で、
- 除去剤を汚れに染み込ませる
- ペン先で汚れを擦る
- タオルなどで拭く
上記のように手軽にシミを除去することができます。
スニーカーだけでなくTシャツなどの衣類にも使用できるため、一つ持っておくと便利です。
8.+α ソールの黄ばみとり
経年によってミッドソールが黄色く変色している場合は汚れではなく、ソールの材質と空気中の水分などとの化学反応が原因。
そのためスニーカークリーニングで除去することができません。
ソールの黄ばみを取りたい場合は、専用の黄ばみ除去剤の使用が必要です。
やり方や必要なアイテムなどについては別の記事で詳細に解説していますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみて下さい。
スニーカーのソール黄ばみの落とし方完全ガイド|原因と対策を知って劣化を防ごう
スニーカーを汚れにくくする対策
スニーカーは地面と直接触れるため、履いていると汚れてしまうのは避けられません。
- 履き終わりのブラッシング
- 定期的な防水・防汚スプレー
しかし、上記のような対策をしておくことで、クリーニングの頻度を減らしたり、汚れを溜めにくくすることは可能です。
履き終わりのブラッシング
ぱっと見気づきづらいですが1日履いたスニーカーの表面には、意外と砂や埃などといった汚れが付着しているもの。
それらを放置すると汚れが定着してしまい、次回のクリーニング時に手間が増えてしまうことも。
毎回履き終わりに乾いたブラシで全体をブラッシングしておくことで、表面に付着した汚れを落とし、汚れの定着を防ぐことができます。
定期的な防水・防汚スプレー
防水・防汚スプレーは雨を防ぐためだけのものではありません。
ジュースやソースこぼしなどの水分による汚れはもちろん、防汚効果によって表面に埃などが付着しづらくしたり、汚れ防止も担うことができます。
綺麗な状態で施工する必要があるため、毎クリーニング後に合わせて施工しておくのがおすすめ。
スニーカーの泥汚れ落とし よくある質問

オキシクリーンは使っていい?
ひどい泥汚れであってもスニーカーのオキシ漬けはNG。
素材を傷めるだけでなく、最悪の場合ソールのゴムが溶けてしまうこともあります。
汚れが頑固であっても適したアイテムを使うことでほとんどの汚れは除去できますので、スニーカーへオキシクリーンを使用するのは避けましょう。
ウタマロクリーナーや重曹でのクリーニングは?
汚れ落としに定評のある両者ですが、スニーカークリーニングには不向きです。
どちらも水で流すことを前提とした洗剤であり、ほとんどが水による丸洗い不可なスニーカーへの使用はリスキー。
それに加え、除去する対象の汚れがそれぞれ違っており、十分な効果を見込めない場合もあります。
上記のことから、代用ではなく専用クリーナーの使用が安心です。