手に入れてから数年経ったお気に入りのスニーカー、ソールが黄ばんできていませんか?
オールドルックなスニーカーであれば、中には黄ばみを「味」として楽しむこともできます。
しかし、落とせるなら黄ばみを除去したいという方も多いはず。
ということで今回は、スニーカーのソール黄ばみの落とし方について解説していきます。
合わせて黄ばみの原因を知り、正しい対策をして黄ばみからスニーカーを守りましょう。
スニーカーのソールが黄ばんでしまう原因
- ソールを形成する素材の劣化
- クリーニングで使用する洗剤やケミカルの影響
- 保存状態の悪さ
ソールが黄ばんでしまう原因は様々ありますが、身近なのは主に上記の3つです。
ソールを形成する素材の劣化
スニーカーのソールは一般的に、ゴムやEVAなどの「合成樹脂素材」でできています。
合成樹脂は性質上、空気中の酸素や湿気触れることで酸化し、黄ばみが発生します。
さらに紫外線(太陽光や照明)も合成樹脂の構造に化学変化をもたらすため、酸化を促進させる原因となります。
ソールの黄ばみの原因のほとんどは上記の酸化によるものです。
クリーニングで使用する洗剤やケミカルの影響
靴用洗剤含め、洗剤はほとんどの成分がアルカリ性です。
アルカリ性の物質は紫外線により変色する性質があるため、スニーカーをクリーニングした際にすすぎ残しや拭き残しがあると黄ばみの原因になります。
また、つけ置き洗いなどで多用される漂白剤においても、成分が強すぎるものを使うことで素材そのものを痛め、黄ばみを進行させる原因になる可能性もあります。
保存状態が悪い
- 玄関に置きっぱなし
- 購入時から箱に入れたまま
玄関は湿気が溜まりやすく、場所によっては日光に当たるなど、黄ばみを進行させてしまう原因になります。
また、スニーカーの箱にそのまま入れておくのもNG。
紫外線をカットできるので一見良さそうですが、スニーカーの箱や包み紙は再生紙でできており、再生紙に含まれる成分によって黄ばみが発生するので注意が必要です。
スニーカーソールの黄ばみの落とし方
黄ばみの度合いによってアプローチが変わってきますので、ここでは2パターン紹介していきます。
スニーカーがどれくらい黄ばんでいるかで合っている方を選んでみてください。
(かなり軽度な黄ばみ)クリーニング用品を使ってクリーニングする方法
黄ばみの原因が油などの汚れが表面に蓄積しただけであれば、下記2つの方法で除去できる可能性があります。
- ブラシを用いたクリーナーでのクリーニング
- 消しゴムや真鍮ブラシ(柔らかい金属)などによる研磨
クリーニングは後述する重度な黄ばみを除去する工程でも1番最初に行うのが必須のため、黄ばみの度合いを見ながら一旦上記の方法で除去を試みるのもありです。
(軽度〜重度な黄ばみ)ケミカルを使って落とす方法
酸化による黄ばみとなるとソールそのものが化学反応により変色しているため、通常のクリーニングや表面の研磨だけでは除去することができません。
そこで使用するのが、スニーカーの黄ばみ取り専用ケミカルであるKicksWrapの「Yellow Remover」です。
ケミカルの成分と黄ばみの成分を化学反応させ、黄ばみを除去していきます。
手順は下記の通りです。
- 必要な物を準備
- スニーカーをクリーニング
- マスキングテープでソール以外を保護
- 黄ばんだソールにケミカルを筆で塗り広げる
- ラップで覆う
- 直射日光に4〜6時間当てる
- ラップを剥がして溶剤を洗い流す
実際の作業風景とともに手順を紹介していきます。
①必要な物を準備
- Yellow Remover
- 筆
- マスキングテープ
- ラップ
上記の4つを用意します。
筆はケミカルの成分で毛先がすぐダメになってしまうので安いものでOK。
②スニーカーをクリーニング
ケミカルの成分が汚れなどで阻害されないように、まずはスニーカーを綺麗にしておきます。
水洗いだけでは油分を落とすことができないので、スニーカークリーナーなどでしっかり洗っておきましょう。
③マスキングテープでソール以外を保護
素材によってアッパー部分(ソール上のゴムじゃない所)がケミカルによってダメージを受けてしまう可能性があるため、ケミカルを塗らない箇所を全てマスキングしていきます。
ケミカルが隙間から入り込まぬよう、ソールとの繋ぎ目部分は念入りにマスキングテープを貼っておきましょう。
④黄ばんだソールにケミカルを筆で塗り広げる
ソール部分にケミカルを塗り広げていきます。
写真のように筆にケミカルをつけて塗ってもいいですし、ソールに直接ケミカルを垂らして筆で広げる方法でもOK。
ケミカルが十分に塗られていない箇所があると、その部分だけ反応が弱くなってしまう可能性があるのでまんべんなく塗り広げておきましょう。
⑤ラップで覆う
ケミカルをまんべんなく塗ることができたら、ラップでスニーカーを覆っていきます。
ケミカルが黄ばみ部分に密着するよう、ラップに入ってしまった気泡を潰しておくのがポイントです。
⑥直射日光に4〜6時間当てる
写真ではUVライトを使用していますが、「紫外線」がケミカルを化学反応させるための鍵なので直射日光でもOK。
十分に太陽光を当てるため、よく晴れた日のAM10時〜PM16時ごろが狙い目です。
⑦ラップを剥がして溶剤を洗い流す
直射日光に当てて時間を置いたら、ラップを剥がしてケミカルを洗い流していきます。
今回はソール部分だけなので水道でガッツリ水をかけてしまっても問題ありません。
ケミカルが残らないよう、しっかりと流すことを意識しましょう。
写真のようにブラシがあると細かい部分に残ったケミカルを落とす際に便利です。
1回で黄ばみが取りきれなかった場合は、③〜⑦の工程を繰り返しましょう。
細かい注意点など含め、動画でも解説してますので気になる方は動画の方もチェックしてみてください。
スニーカーのソール黄ばみの対策
ソール素材の性質上、黄ばみを完全に防ぐことは難しいですが、正しい対策をしておくことで黄ばみの進行を遅らせることは可能です。
未対策のままだとせっかく黄ばみを綺麗に落とせたのに、またソールが黄ばんできてしまいます。
紫外線、湿気からスニーカーを守る
黄ばみの一番の原因である「紫外線と湿気」からスニーカーを守りましょう。
紫外線は直射日光はもちろん、室内の照明からも発生しています。
履かない時の保存には下記の方法がおすすめ。
- UVカットフィルムでラッピングする
- スニーカーの箱に戻す
どちらの方法にしても、乾燥剤をスニーカーの中に入れて湿気対策を忘れずに。
スニーカーの箱に戻す際は、再生紙との接触も黄ばみの原因になるためKicksWrapのShoes Bagに入れてから箱に戻すのがおすすめです。
正しいメンテナンスをする
- クリーナーを使った際は残留しないようにしっかり拭き取る
- 乾かすときは天日干しをしない
先述したようにクリーナーの成分はほとんどアルカリ性です。
紫外線によって変色する特徴があるため、クリーナーが残留しないように吸水性の良い布でしっかり拭きあげましょう。
雨で濡れてしまった時やクリーニングで濡れたスニーカーを乾かすとき、天日干しは黄ばみを進行させてしまうためNG。
「風通しの良い日陰」で乾かすのが鉄則です。
スニーカーの黄ばみ落としでよくある質問
黄ばみを完全に防ぐことはできる?
ソールの素材であるゴムやEVAは、紫外線だけでなく湿気による水分でも黄ばんでしまう性質があります。
どんなに対策しても空気に触れてしまうため”完全に”防ぐことはできません。
しかし、紫外線・湿気対策を正しく行うことで進行を遅らせることは可能です。
黄ばみ取りを代わりにやってくれる所はある?
- 準備するものが多い
- 紫外線に当てる工程が時間も限定的だしそもそも天気が悪かったらできない
- 時間も手間もかかって面倒
今回ご紹介したYellow Removerの使い方を見て、上記のように感じた方もいると思います。
KicksWrapではオンラインサービスにて黄ばみ取りも承っております。
スニーカーのプロフェッショナルであるスタッフが、責任を持ってメンテナンスいたしますので「全部お任せしたい」という方はぜひご検討ください。
まとめ
今回はスニーカーの黄ばみ取りの方法と原因や対策について解説してきました。
ソールが黄ばんでしまうとほとんどがクリーニングだけでは落とすことができません。
しかし、専用のケミカルを使うことで除去することができます。
黄ばみは良くも悪くもスニーカーの印象を大きく変えてしまうため、黄ばみを除去したい方は専用ケミカルを使った方法を試してみてください。