特徴的なエレファント柄とボリューム感あるシルエットで人気のAir Jordan 3。
全体的に派手すぎることもなく合わせやすいことから、履く頻度が多い方もいるのではないでしょうか。
しかし、使いやすいスニーカーだからこそ、
- 汚れが気になってきた
- アッパーが乾燥している気がする
- ソールが黄ばんでしまった
上記のようなお悩みがでてきますよね。
クリーニングをするにしても誤った方法でクリーニングしてしまうと、素材の劣化や型崩れ、場合によってはシミなどの原因になることもあります。
この記事では、AJ3の素材を傷めずに汚れを落とす洗い方や、ミッドソールの黄ばみ除去、仕上げのアフターケアまでを詳しく解説します。
AJ3の汚れに悩まされている方は、ぜひ参考にしてクリーニングにチャレンジしてみてください。
AJ3の洗い方
AJ3を構成する素材はレザーが一般的ですが、今回クリーニングしていくのはヌバック(天然皮革)とデュラバック(人工皮革)の2つの起毛素材がアッパーに使われているモデル。
基本的な手順はレザーと同様ですが、起毛素材ならではの頑固汚れへの対処工程など、通常とは少し異なる点も。
レザーと起毛の違いに触れつつ、今回は下記6つの手順にてクリーニングを行っていきます。
- 靴紐を外してシューキーパーをセット
- 何も付けずに全体をブラッシング
- 起毛の頑固汚れを専用アイテムにて除去
- アッパー部 クリーナーによるクリーニング
- ソール部 クリーナーによるクリーニング
- ミッドソールの黄ばみ除去
それぞれ作業風景の写真つきで解説します。
1.靴紐を外してシューキーパーをセット

クリーニングの邪魔になるため、まずは靴紐を外すところから。
その後、シューキーパーをセットします。
シューキーパーは保管用アイテムではありますが、下記の理由からクリーニングにおいても活躍します。
- アッパーに張りが出てブラシをあてた際に凹まず作業性UP
- シワが伸びることで奥に入り込んだ汚れにブラシ先端が当たるようになる
特にアッパーの張りについてはブラシの当てやすさが全く違うため、クリーニング時にはシューキーパーの利用をおすすめします。
2.何も付けずに全体をブラッシング

乾いた状態の何も付けていないブラシで全体的にブラッシングをし、表面に付着している埃などの汚れをあらかた除去しておきます。
この工程をきちんとしておくことで、後のクリーナーの泡立ちが良くなる大切な工程。
毛の流れに沿って優しくブラッシングし、汚れを掻き出すように動かすのがポイントです。
特にパーツの重なり部分はよく埃が溜まりやすいため、入念にブラッシングしておきましょう。
3.起毛の頑固汚れを専用アイテムで除去

この工程は起毛ならではの工程。
細かい起毛に汚れが絡まったことによりできる局所的な強い黒ずみ汚れや、ブラッシングをしても取れない全体的なうっすら汚れには、起毛専用のアイテムによるアプローチが◎。
局所的な黒ずみが目立つ箇所には、スニーカー用消しゴムの黒を使用することで簡単に除去が可能です。
局所的な汚れを消しゴムにて除去できたら、スウェード専用のブラシを使って起毛全体の表面汚れを効率的に除去しましょう。
4.アッパー部分|クリーナーを使ったクリーニング

レザー、起毛どちらの素材も共通しているのが、経年やクリーニングによって「皮革の乾燥」が起きること。
革の栄養分が抜けていくことでひび割れやパサつきの原因になります。
上記を防ぐため皮革素材部分のクリーニングには、ヒアルロン酸配合により洗いと保湿を両立できる「フォームクリーナー プレミアム」でのクリーニングがベスト。
使い方は通常のクリーナーと同じで、
- フォームをブラシに乗せる
- アッパーを洗う
- 吸水性の良いタオルなどで拭き取り
上記手順をパーツごとに分けて行えばOK。(トゥ→サイド→ヒール など)
5.ソール部分|クリーナーを使ったクリーニング

ミッドソールやアウトソールは地面に近いという特性上、汚れが頑固になりやすいパーツ。
柔らかい豚毛ブラシでは汚れを落とすのが大変だったり、そもそも取り切ることができないなんてことも。
ゴム素材など頑丈な素材でできているソールパーツには、ユーティリティブラシについている真鍮ブラシでゴシゴシ洗うのがおすすめです。
素材を傷つけない柔軟さを持ちつつ、金属製でコシのある真鍮を使うことで、汚れを掻き出す力が強いため簡単に頑固汚れも除去することができます。
また、アッパー部分で使っていた保湿しながら洗うことのできるクリーナーを使用してしまうと、ソールは保湿成分が浸透しないためもったいないことに。
レザー系アッパーは「保湿入り」、ソールは「通常タイプ」のようにクリーナーを使い分けると経済的です。
6.ミッドソールの黄ばみ除去

ソールに使われているゴムは、経年によってゴムの素材が空気中の水分などと化学反応を起こして黄色く変色してしまいます。
残念ながらこの黄ばみはクリーニングのみでの除去ができない汚れ。
そんな黄ばみが気になる際は、専用の黄ばみ除去剤の使用がおすすめです。
少し手間と時間のかかる作業にはなってしまいますが、
- 塗布部以外をマスキング
- 除去剤を対象に塗る
- ラップで密着させる
- 直射日光などの紫外線に数時間晒す
上記工程を何度か繰り返すことでかなり黄ばみが激しいソールであっても、元々の白さに近い色味まで戻すことが可能です。
もし黄ばみ除去に興味がある方は、下記リンク先の別記事にて詳細にまとめていますので、こちらをご覧ください。
スニーカーのソール黄ばみの落とし方完全ガイド|原因と対策を知って劣化を防ごう
AJ3 クリーニング後のアフターケア
起毛の頑固汚れも除去することができ、クリーニング前と比べてかなりきれいにすることができました。
しかし、起毛の乾燥ケアを追加で施したり、クリーニングでは対処のできない摩耗などをケアすることによって、より良い仕上がりにすることができます。
上記を踏まえ、今回は下記3つのケアを行います。
- 皮革の保湿
- かかとの削れ防止
- シューレース交換
それぞれやり方などを解説します。
皮革の保湿

クリーニングの際、保湿しながら洗うことのできるクリーナーを使用しましたが、デリケート素材である起毛の乾燥対策としては十分とは言えません。
専用の保湿スプレーを使い、追加で保湿することでより乾燥対策と起毛素材の質感を取り戻すことができます。
追加保湿といっても難しい手順は無く、
- 20cm程度離れたところから各面にスプレーする
- タオルなどで馴染ませる
- 真鍮ブラシでブラッシングし毛並みを整える
手順はたったこれだけ。
レザー素材の場合は1,2の工程は同じで、3の工程が真鍮ブラシではなくムートンミットで磨き上げることでレザー特有のツヤ感を再現することが可能です。
かかと削れの防止

アウトソールのかかと部分は摩耗によって削れやすく、見た目を損なうだけでなく、削れがひどいと歩行時のバランスが崩れてしまうことも。
専用のヒールプロテクトシートを使えば、上記のような問題も解決。
さらにレアなスニーカーを削れから守ることで、商品価値を落とすことなく履くことができ、大切に履きたいスニーカーにもぴったりのケアです。
使い方は、
- 付属のプライマーシートでよく拭く
- シートを形に合わせて貼る
- はみ出た部分をハサミでカット
- 指の腹を使って圧着させる
特に4の「指の腹を使って圧着」工程は、シート貼り付け状態を左右する大切な工程ですので、しっかりと行いましょう。
シューレースの交換

表面がけば立っていたり、シューレースホールとの擦れによって黒ずみが落ちなかったりする場合は、クリーニングを機に新しいものに変更してしまうのも◎。
ちなみに、インソールは3か月~半年ほどで交換目安のため、へたりを感じてきたら一緒に交換してしまいましょう。
ここまでがAJ3の洗い方からアフターケアまでの内容ですが、一連の流れをより詳しく見たい方は下記動画も合わせてチェックしてみてください。
AJ3の洗い方|よくある質問

AJ3は水洗いできる?
水洗いはNG。
ヌバック素材は水に弱く、シミや毛の潰れの原因になります。
汚れ落ちも素材へのダメージも考慮すると、泡クリーナーとブラッシングによるクリーニングが、安心です。
AJ3にオキシクリーンは使っていい?
オキシの使用はNGです。
オキシクリーンなどの酸素系漂白剤は、確実に皮革素材にダメージを与えるほか、ソールのゴム素材が最悪溶けてしまう可能性があります。
漬け置きだけできれいになる酸素系漂白剤は魅力的ですが、スニーカーには使わないようにしましょう。
AJ3にウタマロや重曹は使える?
ウタマロクリーナーや重曹の成分的には特に問題ありませんが、どちらの洗剤も最後に水による「すすぎ」の工程が必要です。
スニーカーはほとんどの場合が水に弱い素材で構成されており、水によるすすぎは素材のダメージやシミ、変形などのトラブルに繋がる可能性があります。
専用のクリーナーでのクリーニングが安心です。