ヌバックのスニーカーを履いていると、「以前より色が薄くなった」「部分的に色落ちしてしまった」と感じることがあります。
ヌバックは表面を細かく起毛させた革なので、汚れや摩擦、水濡れなどによって色味が変化しやすい素材です。ただし色落ちして見えても、色が抜けているとは限らず、汚れや起毛の状態によって、色が薄く見えている場合もあります。
そこで今回は、実際に色落ちが気になっていたヌバックのスニーカーを使い、洗浄からアフターケアまで行いました。
洗う前と比べて、どこまできれいになったのか。Before・Afterの写真とともに、実際に行ったヌバックの洗い方や、洗浄後のケア方法、普段からできるお手入れ方法まで詳しく紹介します。
「ヌバックの色落ちをどうにかしたい」「洗っても大丈夫なの?」「色あせを自分でケアしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
ヌバックの色落ち・色あせはなぜ起こる?

ヌバック・スウェードなど起毛革のスニーカーは、履き込むうちに「色が薄くなった」「部分的に色落ちして見える」と感じることがあります。
革の表面を細かく起毛させているので、スムースレザーとは見え方やお手入れ方法が異なります。まずは、ヌバックの色落ち・色あせが起こる主な原因を紹介します。
紫外線や摩擦によって色落ちする
ヌバックの色味は、紫外線や日常的な摩擦によって変化することがあります。
たとえば、スニーカーを長時間履いていると、歩行時の屈曲や他の物との接触によって、つま先やかかとなどに摩擦が加わります。履く頻度が高いほど、こうした摩擦の影響も受けやすくなります。
また、直射日光に当たる時間が長い場合も、紫外線によって革の色味が変化することがあります。特に、濃い色のヌバックは色の変化が目立ちやすいため、普段からブラッシングなどで状態を整えながら、直射日光を避けて保管することが大切です。
水濡れや汗が色落ちの原因になることも
水濡れや汗も、ヌバックの色味が変化する原因のひとつです。
雨の日に履いたり、汗をかいた状態で長時間履いたりすると、ヌバックが水分の影響を受けることがあります。特に、水分が付着した部分と乾いた部分で色味に差が出ると、シミや色落ちのように見えることがあります。水に濡れてしまった場合は、そのまま放置せず、できるだけ早めに適切な方法で汚れや水分を処理しましょう。
汚れによって色が抜けたように見える場合もある
ヌバックの色落ちが気になったときに、まず確認したいのが汚れです。
履いているうちにホコリや泥、皮脂などの汚れが付着すると、全体的にくすんだり、部分的に色が薄くなったように見えたりすることがあります。
また、ヌバックは起毛した表面に汚れが入り込みやすいため、ブラッシングだけでは落としきれない汚れが残る場合もあります。そのため、すぐに補色するのではなく、まずは表面の汚れを落として、本当に色落ちしているのかを確認することが大切です。
ヌバックの色落ちを予防する方法

ヌバックの色落ちや色あせを完全に防ぐことは難しいものの、普段のお手入れや保管方法を見直すことで、色味の変化を抑えることはできます。
特別なことをする必要はありません。履いた後にブラッシングする、汚れや水濡れを放置しない、直射日光を避けて保管するといった基本的なケアを習慣にすることが大切です。ここでは、ヌバックの色落ちをできるだけ防ぐために、普段からできる3つの方法を紹介します。
こまめにブラッシングして汚れを落とす
ヌバックは表面が起毛しているため、ホコリや汚れが付着しやすい素材です。履いた後にブラッシングをして、表面に付着したホコリや汚れをこまめに落としましょう。
汚れを長期間放置すると、ヌバック本来の色味が見えにくくなり、色がくすんだり、部分的に色落ちしたように見えたりすることがあります。また、ブラッシングによって寝てしまった起毛を整えることもできます。
汚れや水濡れを放置しない
汚れや水濡れがあった場合は、できるだけ早めに対処することも大切です。
泥や水分が付着したまま放置すると、シミや色ムラの原因になることがあります。特に雨の日に履いた場合は、帰宅後に状態を確認し、付着した汚れや水分を適切に処理しましょう。
ただし、濡れたヌバックを強くこすったり、急激に乾かしたりするのは避けてください。素材の状態を確認しながら、ヌバックに適した方法でケアすることが重要です。
直射日光を避けて保管する
ヌバックのスニーカーを保管するときは、直射日光が当たる場所を避けましょう。紫外線はヌバックの色味が変化する原因のひとつです。特に、長期間履かないスニーカーを窓際などに置いたままにすると、色あせにつながる可能性があります。
保管する際は、直射日光が当たらず、風通しのよい場所を選ぶのがおすすめです。普段からこうした基本的なケアを続けることで、ヌバックの色味をできるだけ長くきれいな状態に保ちやすくなります。
色落ちしたヌバックのスニーカーの洗い方

ここからは、実際に色落ちが気になっていたヌバックのスニーカーを洗った手順を紹介します。
ヌバックは表面が起毛しているため、スムースレザーのように水やクリーナーを使えばいいわけではありません。汚れを落とす際も、起毛した革を傷めないように、専用の道具を使ってやさしく洗うことが大切です。
- シューレースを抜きシューキーパーをセット
- ブラッシングでホコリや汚れを落とす
- スウェードブラシで毛の奥の汚れをかき出す
- フォームクリーナーで洗う
- タオルで水分や汚れを拭き取る
- ソール部分の汚れを落とす
シューレースを抜きシューキーパーをセット

まずはスニーカーからシューレースを抜きます。
シューレースを付けたまま洗うと、紐の部分に汚れが残ったり、スニーカーの細かい部分までブラシを当てにくかったりします。あらかじめ外しておくことで、アッパー全体を洗いやすくなります。
シューレースを外したら、スニーカーの中にシューキーパーをセットします。シューキーパーを入れることで、洗浄中もアッパーの形を整えやすくなります。また、革が伸びたりシワが寄ったりするのを抑えながら、ブラシを当てやすくするメリットもあります。
ブラッシングでホコリや汚れを落とす

次に、ブラシを使ってスニーカー表面のホコリや汚れを落とします。
ヌバックは起毛した革なので、表面にホコリや細かな汚れが付着しています。いきなりクリーナーを使うのではなく、まずは乾いた状態でブラッシングして、落とせる汚れを取り除きましょう。
この段階で表面の汚れをできるだけ落としておくことで、次の工程でよりしっかりとヌバックを洗いやすくなります。
スウェードブラシで毛の奥の汚れをかき出す

表面のホコリを落としたら、次はスウェードブラシを使って、起毛の奥に入り込んだ汚れをかき出します。
ヌバックは毛足が短くきめ細かい起毛革ですが、履いているうちに細かな汚れが毛の間に入り込むことがあります。表面をブラッシングするだけでは落としきれない汚れもあるため、起毛革用のブラシを使って丁寧にケアします。
ブラシを強く押し付けたり、同じ場所を何度も強くこすったりするのではなく、状態を確認しながらやさしくブラッシングしてください。
フォームクリーナーで洗う

下準備ができたら、フォームクリーナーを使ってヌバックを洗っていきます。
フォームタイプのクリーナーは、泡で汚れを浮かせながら洗えるため、起毛革のヌバックにも使いやすいのが特徴です。
まずはクリーナーを泡立て、ブラシに泡を取ります。ヌバックの表面に泡をのせ、力を入れすぎないようにやさしくブラッシングしながら汚れを落としていきます。
ヌバックはデリケートな素材なので、強くこすりすぎないことがポイントです。全体を洗い終えたら、次の工程に進みます。
タオルで水分や汚れを拭き取る

クリーナーで洗い終えたら、タオルを使って表面に残った泡や水分、浮き上がった汚れを拭き取ります。このときも、ヌバックを強くこすらないように注意しましょう。
洗浄後のヌバックは、水分を含んでいることで一時的に色味が変わって見える場合があります。洗った直後の状態だけで色落ちの程度を判断せず、ケアまで行った後の状態を確認することが大切です。
ソール部分の汚れを落とす

アッパーの洗浄が終わったら、最後にソール部分の汚れを落とします。
ソールは地面に直接触れる部分なので、泥や黒ずみなどの汚れが付着しやすい箇所です。特にミッドソールとアッパーの境目は汚れが残りやすいため、細かな部分まで確認しながら洗いましょう。
これで、ヌバックのスニーカーの洗浄工程は完了。今回はこのあと、ヌバックの色味や質感を整えるアフターケアを行います。
色落ちしたヌバックスニーカーを洗った後のアフターケア

洗ったあとは、汚れを落としただけで終わりにせず、素材の状態や色味を整えるアフターケアを行います。
特に、今回のように色落ちや色あせが気になっている場合は、ヌバックに適したケア用品を使って、革のコンディションと色味を整えることが大切です。ここでは、実際に使用したケア用品と手順を紹介します。
- ヌバック対応のケア用品で革を整える
- Suede Renewでヌバックの色味と深みを整える
- ブラシで起毛を整える
- ソールを保護する
- 消臭・抗菌処理
ヌバック対応のケア用品で革を整える

洗浄後は、ヌバックに使用できるケア用品を使って革のコンディションを整えます。ヌバックは表面が起毛しているため、油分によって起毛が寝てしまったり、質感が変わったりする可能性があるため、スムースレザー用のクリームやオイルをそのまま使うのは避けましょう。
ケア用品を選ぶ際は、スウェードやヌバックなどの起毛革に対応しているかを確認することが重要です。
Suede Renewでヌバックの色味と深みを整える

洗浄後のヌバックは、汚れが落ちてきれいになる一方で、色味が薄く見えたり、全体的に色が抜けたように感じたりすることがあります。
そこで今回は、KicksWrapの「Suede Renew」を使用して、ヌバックの色味と深みを整えます。Suede Renewは、スウェード・ヌバックに塗ることで、色鮮やかな深みとしなやかさを再生する起毛革用の深色加工&栄養剤です。
使い方は、適量をヌバックの表面に塗り広げ、色ムラにならないよう全体の状態を確認しながら均一になじませます。
ブラシで起毛を整える

Suede Renewをなじませたら、最後にブラシを使ってヌバックの起毛を整えます。
ヌバックは洗浄やケアの工程で毛並みが乱れたり、寝てしまったりすることがあります。ブラッシングによって起毛を整えることで、表面の質感を均一に仕上げやすくなります。
ブラシを強く押し付けず、毛並みを確認しながらやさしくブラッシングするのがポイントです。特に、色味を整えたあとにブラッシングすると、起毛の向きによって見え方が変わることがあります。全体の毛並みを整えながら、色ムラがないかも確認しましょう。
ソールを保護する

アッパーのケアが終わったら、ソールのすり減りもケアしていきます。特にソールのすり減り・破れはスニーカーの寿命に直接関わってくるので、対処しておきたいところです。
そんな時には、すり減りを予防してくれるソールプラス3.0を貼り付けることでソール全体を保護してあげます。
アッパーだけでなくソールまでケアしておくことで、スニーカーの寿命を伸ばすことが可能です。
消臭・抗菌処理

最後に、スニーカー内部の消臭・抗菌処理を行います。
スニーカーは履いている間に汗や湿気がこもりやすく、ニオイの原因になることがあります。見た目をきれいにするだけでなく、内部もケアしておくと、より気持ちよく履ける状態に整えられます。
ここまでの工程で、ヌバックの洗浄からアフターケアまで完了です。
ヌバックの色落ちでよくある質問
ヌバックの色落ちや色あせが気になったとき、「自分で補修できる?」「どんなケア用品を使えばいい?」と迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、ヌバックの色落ち・補色についてよくある疑問をまとめました。
ヌバックの色抜けは自分で直せますか?
軽度の色落ちや色あせであれば、自宅で補色できる場合があります。
ただし、まずは本当に色が抜けているのかを確認することが大切です。汚れや起毛の乱れによって色落ちしたように見えている場合は、ブラッシングやクリーニングだけで見た目が改善することもあります。汚れを落としても色味が戻らない場合は、ヌバックやスウェードなどの起毛革に対応した補色用品を使って色味を整える方法があります。
今回のように、洗浄後に色味を整えたい場合は、Suede Renewのような起毛革対応のケア用品を使用するのもひとつの方法です。
スエードとヌバックの色落ちの補修は同じでいい?
基本的には同じで問題ありません。
スエードとヌバックはどちらも起毛革なので、起毛革に対応した補色・ケア用品を使用するという基本的な考え方は共通しています。
しかし厳密にいうと、両者は革を起毛させている面や毛足の長さなどに違いがあります。そのため、スエード用と書かれている用品をヌバックに使用する際は、製品の対応素材を確認するのが確実です。また、補色する際は、目立たない場所で色味や仕上がりを確認してから全体に使用すると安心です。
黒やネイビーなど濃い色も補色できる?
黒やネイビーなどの濃い色でも、起毛革に対応した補色用品を使って色味を整えられる場合があります。
ただし、色落ちした部分だけに補色すると、周囲との色味に差が出て色ムラに見えることがあるため、部分的に色が抜けている場合でも、周囲との色味を確認しながら全体を均一に整えることがポイントです。
また、ネイビーのような濃色は、素材や製品によって色味が異なります。補色する際は、できるだけ元の色に近いカラーを選び、目立たない部分で仕上がりを確認してから使用しましょう。
本記事で紹介した具体的な洗浄手順は、YouTubeでも解説しています。 動画で確認しながら作業したい方は、下記リンクをチェックしてみてください。









