独特なソール構造の見た目と軽快な履き心地で人気のOn(オン)スニーカー。
中でもクラウドモンスターはランニングシューズですが、ランニングだけでなくファッションとして街履きでも使用されることのある人気モデル。
その人気とは裏腹に、アッパーには通気性の高いエンジニアードメッシュ、ミッドソールはクッション性の強い独自構造のため、素材と構造どちらをとっても比較的汚れやすい靴です。
さらにメッシュ素材という点から、誤った洗い方をすると型崩れや繊維の痛みにつながってしまうことも。
この記事ではOnスニーカーの正しい洗い方から、クリーニング後のアフターケアについて、実作業の写真を用いて分かりやすく解説します。
Onスニーカーの汚れで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてクリーニングにチャレンジしてみてください。
On スニーカーの洗い方
今回クリーニングしていくOnの靴は「クラウドモンスター」というランニングシューズ。
白いメッシュアッパーは全体的に砂や埃のような汚れがついていて、ミッドソールの穴の中にもひどい汚れが付着しており、がっつり外のランニングで汚れているような印象がある状態です。
そんなクラウドモンスターですが、今回は下記の手順にてクリーニングしていきます。
- シューレースを取り外して洗浄液に漬ける
- シューキーパーをセット
- 何も付けずに全体をブラッシング
- アッパー・ミッドソール|クリーナーを使ったクリーニング
- アウトソール|クリーナーを使ったクリーニング
- 靴内部の洗浄
- シューレースの洗浄と乾燥
上記のように工程を複数に分けて進めていき、スニーカーになるべくダメージを与えずにきれいにしていきます。
シューレースを取り外して洗浄液に漬ける

隅々までがっつりクリーニングするためにも、まずはシューレースを外しましょう。
外したシューレースはあとで洗うため、水を張った小さい容器にクリーナーを溶かした洗浄液に漬けておきます。(クリーナー量の目安は5プッシュ程度)
漬け置きによって洗浄成分を染み込ませている間に、スニーカー本体のクリーニングを進めていきます。
シューキーパーをセット

スニーカークリーニングの際、シューキーパーは無くてもクリーニングできますが、用意するとかなり違いを実感するアイテム。
- アッパーが張ることでブラシを当てても凹まない
- 素材によってはシワが伸びることで奥に溜まった汚れにブラシが届く
クリーニングにおけるシューキーパーは、上記のような効果があります。
特に今回のクラウドモンスターは、アッパーが柔らかいメッシュ素材のためブラシを当てた際に凹みやすく、シューキーパーが無いと作業性が良くありません。
効率的かつ効果的にクリーニングを進めるためにも、ひとつあると便利なアイテムです。
何も付けずに全体をブラッシング

予備洗浄的な意味合いで、まずは乾いたブラシを使って表面についた埃や砂を払い落とします。
こうすることで、
- どの部分に頑固な汚れがついているかの把握がしやすい
- クリーナーの泡立ちが良くなり使用量を節約できる
というような利点があります。
さらにOnのようなメッシュ素材は、いきなり水分で濡らすと表面の埃などの汚れが繊維内部に入り込みやすく、かえって汚れを頑固にしてしまう可能性もあります。
素材関係なく、クリーニングの際は必ず乾いた状態で先に全体のブラッシングを行いましょう。
アッパー・ミッドソール|クリーナーを使ったクリーニング

クリーナーを使い、アッパーを洗っていきます。
ブラシが寝てしまうほど力強く擦るのではなく、毛先をあてて汚れを掻き出すようなイメージでブラシ当てるのがポイント。
ある程度洗ったら拭き取りを行い、都度汚れ落ちを確認しながら進めていきましょう。
ちなみに、クリーナー残りは黄ばみのリスクがあり、水気を吸いやすいメッシュは特に注意が必要です。
吸水性の良いタオルを使い、確実に泡を拭き取っておきましょう。

ミッドソール部分は地面に近い分汚れが頑固になりがちなので、しっかりと洗いましょう。
On特有の穴の開いたクラウドテック構造については、綿棒に洗浄液を含ませて拭き取ることで細かいところまできれいに。
また、今回のように汚れが頑固なメッシュアッパーやウレタン系ソールの場合、使うブラシは異なる柔らかさ毛がひとつになった「ネオスタンダードブラシ」がおすすめ。
適度に張りのあるPP素材の毛を異なる柔らかさで構成することで、Onのようなメッシュや頑固なソールの汚れも軽い力で掻き出すことができます。
アウトソール|クリーナーを使ったクリーニング

アウトソールも洗い方はアッパーと同じ。
フォームをブラシに乗せるorソールに直接乗せ、ブラシで洗っていけばOK。
ランニングシューズらしく溝の凹凸が大きいため、段差部分などは特に意識してクリーニングしましょう。
アウトソールに関してはフォームは拭き取りではなく、水によるすすぎでもOKです。
靴内部の洗浄

内部は汗や皮脂、埃が溜まりやすく、臭いの原因になりやすい部分。
特にランニングのような運動用途で使っている場合はより汚れやすいとも言えます。
専用クリーナーは外側だけでなく内部の洗浄もできるため、たっぷりのフォームを使って隅々まで洗いましょう。
シューレースの洗浄と乾燥

シューレースを洗浄液に漬けておいたおかげで、洗浄成分が繊維の奥まで染み込んでおり、基本的には頑固な汚れももみ洗いするだけで除去することができます。
きれいにすることができたら、タオルで水気を取ってから陰干し。
濡れたままだと湿気が本体に移ってしまうため、必ず完全に乾いてから戻すようにしましょう。
On スニーカーのアフターケア
クリーニングによってきれいにすることができたOnのクラウドモンスターですが、より仕上がりをよくするためにアフターケアまで一緒にやってしまうのがおすすめ。
今回やったのは下記の2つ。
- インソールの交換
- 内部の除菌と消臭
どちらも短時間で終わるお手軽ケアながら、快適性を上げるために十分に効果を発揮するケアとなっています。
インソールの交換

インソールは汗を吸いやすく、臭いやヘタリが出やすいパーツ。
特にランニング用途などで使っていると、メーカー純正の高性能インソールであっても割と早めに劣化のタイミングがくるもの。
基本的にインソールは3か月~6ヶ月が寿命の目安と言われており、定期的に交換することで快適性を維持することが可能です。
内部の除菌と消臭

内部の洗浄によって嫌な臭いを放つ雑菌繁殖の原因である汗や皮脂汚れは除去することができました。
しかし、クリーナーには除菌効果がないため、すでに雑菌が繁殖してしまっている場合は除菌することができません。
原因を排除した上での仕上げという意味合いでも、臭いトラブルに焦点をあてた専用の「除菌・消臭スプレー」で仕上げるのが理想です。
使い方もただ数回内部に吹きかけるだけで完了するのでとても簡単。
日常的に履き終わり毎にスプレーしておくことで、臭いの発生を抑えることもできるため、ぜひ取り入れたいアイテムです。
ここまでがOnの洗い方からアフターケアまでの内容ですが、一連の流れをより詳しく見たい方は下記動画も合わせてチェックしてみてください。
On スニーカーの洗い方|よくある質問

布アッパーの汚れにオキシクリーンは使っていい?
オキシクリーンは比較的優しめの酸素系漂白剤ではありますが、デリケートな繊維を傷めたり、靴に使われる接着剤やソール素材に少なからずダメージを与えます。
よって、布アッパーであってもオキシクリーンの使用はおすすめできません。
Onの靴は洗濯機で洗っていい?
洗濯機は衝撃や摩擦によってアッパーの繊維が傷んでほつれができてしまったり、クラウドソールの接着部分に負荷がかかるため避けましょう。
スニーカー洗剤による手洗いが安心です。
Onにシミがついてしまったけど落とせる?
クリーナーで落ちない頑固なシミでも、ほとんどの場合専用のシミ除去アイテムで除去きます。
使い方も簡単で、
- 対象に液剤を染み込ませる
- 先端を使って擦る
- 布で拭き取る
上記の手順のみで完了します。
食べ物などによる油シミ、飲み物などによるシミといった日常的についてしまうシミであればたいてい除去できるため、1つ持っておくと安心です。









