お気に入りのスウェードスニーカー。気づけば汚れが目立ち、「洗いたいけど、変色したり質感が悪くなったらどうしよう…」と不安になる人は多いです。
スウェード素材は、その起毛感のある柔らかな質感が魅力的な一方で、水や洗剤に弱く、誤ったお手入れをすると取り返しのつかないダメージを受けることも。しかし、正しい洗い方や扱い方さえ知っていれば、自宅で綺麗に洗え、良好な状態で長く愛用することができます。
この記事では、スウェードスニーカーを傷めずに洗うための手順を徹底解説。「初めてスウェードスニーカーを洗いたいけど失敗したくない」「正しいメンテナンス方法を知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもスウェードとはどんな素材?

スウェードは、天然皮革の裏側を細かく起毛させた素材のこと。
「スエード」と表記されることもありますが、基本的には同じ素材を指します。
細かな毛が立った独特の質感により、柔らかく上品な見た目を楽しめるのが魅力です。
- 柔らかく、足になじみやすい
- 起毛による温かみと高級感がある
- 使い込むことで独特の風合いが生まれる
一方で、細かな起毛の間にホコリや砂が入り込みやすく、水分を含むとシミや色ムラができやすいという特徴もあります。
同じ起毛素材としてよく比較されるのが「ヌバック」です。
スウェードが革の裏側を起毛させているのに対し、ヌバックは革の表側を細かく削って起毛させています。
ヌバックのほうが毛足が短く、なめらかな質感になりやすいのが主な違いです。
どちらも水分や摩擦に弱く、汚れを放置すると起毛が寝たり、乾燥によって硬くなったりすることがあります。
見た目と柔らかな風合いを保つには、定期的なブラッシングや保湿が大切です。
スウェードの洗い方で準備するもの

スウェードを傷めずに洗うには家庭用洗剤で丸洗いするのではなく、素材に適したアイテムを使って段階的に汚れを落とします。
主に準備しておきたいものは、以下のとおりです。
- 表面のホコリを落とす「クリーニングブラシ」
- 黒ずみや擦れ跡を落とす「スニーカー用消しゴム」
- スウェードに対応した「スニーカークリーナー」
- 泡や水分を拭き取る「タオル」
- 形を整える「シューキーパー」
- 仕上げに使用する「防水・防汚スプレー」
ブラシとクリーナーだけでも基本的な洗浄はできますが、消しゴムや保湿ミスト、防水スプレーまで用意しておくと、汚れ落としからアフターケアまでスムーズです。
なお、初めて使うクリーナーやスプレーは、必ず目立たない場所で色落ちや変色が起きないか確認してから使用しましょう。
スウェードスニーカーの洗い方

今回クリーニングするのは、起毛素材であるスウェード、ヌバック素材が使われているTiffany&Co.×Nike Air Force 1 Low “1837”です。
この記事では、このスニーカーを丁寧に洗い上げて美しく蘇らせるための手順を、詳しくご紹介します。
- シューレースを抜きシューキーパーをセット
- ブラッシングで表面の埃を落とす
- 汚れの強い箇所にはスニーカー用消しゴム
- アッパーをクリーナーで洗う
- ソール・シュータンの汚れをクリーナーで落とす
- ムラ・まだらな仕上がりを整える
1.シューレースを抜きシューキーパーをセット

クリーニングを始める前に、まずはスニーカーからシューレースを外し、形を整えるためにシューキーパーをセットします。
シューキーパーを入れることで、履きジワが伸びてスニーカーの形が整うだけでなく、汚れを落とすためのブラッシングがしやすくなるというメリットがあります。
シューキーパーは細かくサイズ調整ができる、デオドラントシューキーパーが使いやすくておすすめです。デオドラントの名前のとおり、消臭・抗菌機能もあるので、臭い対策にもなります。
2.ブラッシングで表面の埃を落とす(毛並みの向きがポイント)

スニーカーを洗う前に、まずはブラッシングで表面の埃や汚れを落とすことが重要です。
スウェードは起毛素材なので、泥や埃が繊維の間に入りやすいもの。
ここでしっかりと汚れを落としておくことで、この後に行う洗浄の効果が高まります。
天然の豚毛を使ったクリーニングブラシを使い、スニーカー全体を優しくブラッシングします。
ブラッシングするときは、最初に毛並みに逆らう方向へブラシを動かし、起毛の奥に入り込んだ埃を掻き出すのがポイントです。
埃を落としたら、最後に毛並みに沿ってブラシを動かし、表面の方向を整えます。この順番で行うことで、汚れを取り除きながらムラの少ない状態に仕上げられます。
3.汚れの強い箇所にはスニーカー用消しゴム

ブラッシングで落ちない頑固な汚れは、スニーカー専用の消しゴム「ユーティリティイレイサー」を使用して、表面の汚れを絡め取っていきます。
ユーティリティイレイサーは、黒い側が起毛素材用です。
スウェードの汚れには黒い側を使い、汚れている部分を優しく撫でるように擦ります。
力を入れすぎると起毛が削れたり、周囲より色が薄く見えたりすることがあるため、軽い力で少しずつ進めましょう。
4.アッパーをクリーナーで洗う(円を描くように優しく)

スウェードのような起毛素材には、ヒアルロン酸配合のフォームクリーナープレミアムを使って、素材に配慮しながらスニーカー表面の汚れを洗い落とします。
スニーカーにフォームをつけたら、クリーニングブラシで小さな円を描くように優しく洗っていきましょう。
一方向へ強く擦り続けるよりも、細かな円を描きながらブラシを動かしたほうが、起毛への負担を抑えながら汚れを浮かせやすくなります。
洗い終わったら、浮き上がった汚れと泡をタオルでしっかり拭き取ります。
起毛素材は泡立ちづらいことがあるので、その場合はブラシの先端に水を少量つけてあげると泡立ちがよくなります。ただし、水をつけすぎないよう注意してください。
5.ソール・シュータンの汚れをクリーナーで落とす

アッパーだけでなく、シュータンやソールも丁寧にクリーニングするのがポイントです。
ヒアルロン酸による素材ケアを必要としないシュータンやソールには、通常のフォームクリーナーを使用します。
方法はこれまでと同様に、クリーナーとブラシで汚れを浮かせ、タオルで拭いてあげるだけでOKです。
パーツの境目やソールの溝には汚れが残りやすいため、ブラシの毛先を当てるようにして洗いましょう。
この工程でソールの黒ずみや泥汚れを落とし、スニーカー全体をフレッシュな状態に仕上げます。
6.ムラ・まだらな仕上がりになったときの対処法
クリーニング後のスウェードが部分的に濃く見えたり、まだらに見えたりする場合があります。
汚れが残っているように見えますが、実際には濡れた起毛同士が固まり、毛の向きが揃っていないことで色濃く見えているケースがほとんど。
まずは直射日光を避け、風通しのよい場所で完全に乾燥させましょう。
乾燥後に目の粗いブラシで固まった毛を軽くほぐし、最後に毛並みに沿って整えると、色の見え方が均一になりやすくなります。
ただし、濡れている状態で強くブラッシングすると起毛を傷めるため、必ず乾燥してから行ってください。
スウェードスニーカーのアフターケア
スウェードスニーカーは洗ったらそれで終わりではありません。下記のアフターケアを行うと、柔らかな質感と良いコンディションを維持しやすくなります。
- 乾燥した起毛を保湿
- 乾燥中はプラスチック製シューキーパーを使用
- ブラシで風合いを整える
- 防水スプレーで雨や汚れを予防
乾燥した起毛を保湿

クリーニング後のスウェードは、油分や水分が抜けて乾燥しやすい状態です。
適切な保湿ケアを行うことで、素材にうるおいを与え、スウェード本来の柔らかな風合いを取り戻しやすくなります。
ヒアルロン酸配合のシューモイスチャーミストを使い、栄養を補給しながら保湿するのがおすすめです。
シューモイスチャーミストを吹きかけた後は、タオルで軽く押さえるようにして、ミストをスニーカー全体になじませます。
一部分だけに集中して吹きかけると色ムラに見えることがあるため、全体へ薄く均等に施工しましょう。
乾燥後のシューキーパーにはプラスチック製がおすすめ
クリーニング後は、型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れた状態で乾燥させるのがベスト。
このとき使用するシューキーパーは、水分を吸収しにくいプラスチック製のシューキーパーがおすすめです。
木製のシューキーパーは吸湿性に優れていますが、洗浄直後のように水分が多い状態では、木材が過度に水分を吸収したり、接触部分にシミや色移りが起きたりする可能性があります。
もし木製シューキーパーを使いたい場合は、完全に内部まで乾燥してから入れ替えを行いましょう。
乾燥はドライヤーや直射日光を避け、風通しのよい日陰で行いましょう。
ブラシで風合いを整える

スウェード素材の場合は、寝てしまった起毛を元の風合いに戻すケアが必要です。
方法は簡単。ミストで栄養を与えて乾燥させた後に、ユーティリティブラシで優しくブラッシングして毛並みを整えます。
最初に毛並みに逆らう方向へ軽くブラシを動かして毛を起こし、最後に毛並みに沿って表面を整えましょう。
ユーティリティブラシの真鍮面を使用するときは力を入れず、手首のスナップを使って毛先を軽く当てる程度で十分です。
防水スプレーの正しい使い方と頻度
スウェードは水分を吸収しやすく、雨染みや泥汚れが残りやすい素材です。
きれいに洗った後は、防水・防汚スプレーを施工しておくことで、水分や汚れが起毛の奥へ入り込むのを防ぎやすくなります。
スウェードには、通気性を保ちながら撥水しやすいフッ素系の防水スプレーが相性◎。
使用前には、必ず商品の対応素材を確認することもお忘れなく。
スニーカーが完全に乾いたら屋外や十分に換気された場所に移動し、30〜40cmほど離れた位置から全体へ薄く均等に吹きかけます。
一度に大量にかけるのではなく、全体に薄く施工してから乾燥させるのがポイントです。
使用頻度は月1回程度がひとつの目安ですが、雨の日に履いた場合や着用頻度が高い場合は、撥水状態を確認しながら再施工しましょう。
ここまでがスウェードスニーカーの洗い方からアフターケアまでの内容ですが、一連の流れをより詳しく見たい方は下記動画も合わせてチェックしてみてください。
スウェードの汚れ・トラブル別の見分け方と対処法

スウェードは、汚れの種類や起毛の状態によって適した対処方法が異なります。
すべてをクリーナーで洗おうとせず、まずは汚れや変化の原因を見分けることが大切です。
黒ずみ・擦れ跡の落とし方
部分的な黒ずみや擦れ跡は、起毛の表面に汚れが付着している可能性があります。
まずは乾いたブラシでホコリを落とし、残った汚れにスニーカー用消しゴムを使用しましょう。
ユーティリティイレイサーを使う場合は、起毛素材用の黒い面を汚れへ軽く当て、くるくると動かしながら少しずつ擦ります。
同じ箇所を強く擦り続けると、起毛が削れて色が薄く見えることがあるため注意してください。
消しゴムのカスをブラシで取り除き、最後に毛並みを整えれば完了です。
雨染みができたときの対処法
雨に濡れた直後は、乾いたタオルを軽く押し当てて表面の水分を吸収します。
擦ると濡れた起毛が乱れたり、汚れが広がったりするため、押さえるように水分を取りましょう。
その後はシューキーパーを入れ、風通しのよい日陰で完全に乾かします。
軽い雨染みであれば、乾燥後に毛並みに逆らう方向へブラッシングして起毛をほぐし、最後に毛並みに沿って整えるだけで目立ちにくくなります。
輪染みが残っている場合は、クリーナーを一部分だけに使わず、周囲との境目ができないよう広めの範囲を均等にケアしましょう。
テカリ|毛が寝てしまった状態の直し方
スウェードの一部分がテカって見える場合は、汚れではなく、摩擦によって起毛が寝てしまっている可能性があります。
寝た毛を起こすには、ユーティリティブラシの真鍮面など、起毛素材に対応したワイヤー入りブラシを使用します。
ブラシを押し付けるのではなく、手首のスナップを使いながら、毛先で表面を軽く弾くようにブラッシングしましょう。
いきなり強くブラシを当てると色や質感が変わることがあるため、目立たない場所で試してから少しずつ毛を起こしてください。
カビが生えてしまったときの対処法
表面に白や緑、黒っぽい点状の汚れがあり、カビ特有の臭いがする場合は、通常の汚れではなくカビが発生している可能性があります。
まずは屋外へ移動し、乾いたブラシで表面のカビを払い落とします。
カビを室内に広げないよう、使用したブラシはほかの靴と分けて洗浄しましょう。
残ったカビは、固く絞ったタオルで軽く拭き取ります。
除菌する場合は、消毒用アルコールをタオルへ少量含ませてから拭き取りますが、スウェードは色落ちや変色が起きる可能性があるため注意。
必ず目立たない場所でテストし、問題がないことを確認してから使用してください。
広範囲にカビが発生している場合や、何度ケアしても再発する場合は、無理に自宅で対処せず専門のクリーニング店へ相談しましょう。
頑固なニオイを取る方法
スウェードスニーカーのニオイは、アッパー表面ではなく、靴内部に蓄積した汗や皮脂、雑菌が原因になっていることがあります。
表面を洗うだけでは取り除きにくいため、取り外せるインソールやシューレースは外し、それぞれ個別にクリーニングしましょう。
靴内部にはタオルを入れて湿気を取り、風通しのよい日陰でしっかり乾燥させます。
仕上げに除菌・消臭スプレーも活用することで、より臭い対策になります◎。
それでもニオイが残る場合、洗剤を使った丸洗いで軽減できるケースもあります。
ただし冒頭でも触れた通り、スウェードは水に弱い素材。
丸洗いには色落ちや硬化、型崩れなどのリスクがあることを考慮しておきましょう。
スウェードの洗い方でよくある質問

スウェードは水洗いしていいですか?
スウェードスニーカーの水洗いや丸洗いは、基本的に控えましょう。
スウェードは水分を含むとシミや色落ちが起きやすく、天然皮革の場合は乾燥後に硬くなったり、形が変わったりする可能性があります。
布素材のみで作られたスニーカーであれば洗濯洗剤を使った丸洗いが可能な場合もありますが、スウェード素材のスニーカーは専用クリーナーを使った部分洗いがおすすめです。
スウェードに中性洗剤やエマールは使える?
スウェードスニーカーには、中性洗剤やエマールの使用はおすすめしません。
これらは水ですすぐことを前提とした洗剤のため、水洗いに弱いスウェードには不向きです。
洗剤成分が起毛の奥に残ると、シミや変色、質感の変化につながることもあります。
スウェードに対応したスニーカー専用クリーナーを使用しましょう。
汚れのひどいスウェードはオキシ漬けしていいですか?
スウェードスニーカーのオキシ漬けはNGです。
スウェードの色落ちや硬化を招くほか、ソールや接着剤、装飾パーツにダメージを与える可能性があります。
素材やパーツによっては、表面が溶けたり接着部分が弱くなったりするリスクもあるため、必ずスニーカー専用クリーナーを使って洗いましょう。
スウェードスニーカーは洗濯機で丸洗いしてもいい?
スウェードスニーカーを洗濯機で丸洗いするのはNG。
水分だけでなく、洗濯槽の回転やほかの衣類との摩擦によって、色落ちや型崩れ、起毛の剥がれが起きる可能性があります。
メーカーが洗濯機の使用を認めている例外的なモデルを除き、洗い工程には使用しないでください。
どうしても機械で水分を切る必要があり、メーカー表示でも禁止されていない場合は、スニーカーを洗濯ネットへ入れ、弱い設定による短時間の脱水にとどめます。
ただし、リスクを完全に避けられる方法ではないため、基本はタオルで水分を取り、日陰で自然乾燥させましょう。
ニューバランス・アディダス・VANSなどブランドによって洗い方は違う?
基本的な洗い方は、ブランドが違っても大きくは変わりません。
ブラッシングでホコリを落とし、部分汚れを消しゴムで処理してから、対応クリーナーで優しく洗うという流れは共通です。
ただし、同じスウェードでも毛足の長さや革の厚み、染色の濃さには違いがあります。
色の濃いモデルや毛足の長いスウェードは、摩擦による色落ちや起毛の乱れが目立ちやすいため、ブラシを当てる力加減を調整しましょう。
パンプスなどスニーカー以外のスウェードアイテムにも使える?
基本的なブラッシングや部分汚れへの対処方法は、スウェードのパンプスやブーツ、バッグなどにも応用できます。
ただし、パンプスのヒールや金具、装飾パーツには、スニーカーとは異なる素材や接着方法が使われていることがあります。
クリーナーや防水スプレーが装飾部分に付着しないよう注意し、目立たない場所でテストしてから使用しましょう。
高価な革製品や特殊な染色が施されたアイテムは、購入店や専門店へ相談すると安心です。
自分で落とせない汚れはクリーニング店に出すべき?
広範囲に広がったシミや油汚れ、色移り、カビなどは、自宅で無理に落とそうとすると状態を悪化させることがあります。
特に、クリーナーを使っても変化がない汚れや、カビが繰り返し発生する場合は、内部まで汚れや菌が入り込んでいる可能性があります。
何度も擦ったり洗ったりする前に、スウェードや天然皮革に対応した専門クリーニング店の利用を検討しましょう。
まとめ

スウェードスニーカーは水分や摩擦に弱いデリケートな素材ですが、正しい手順でお手入れすれば、自宅でも汚れを落とすことができます。
最初にブラッシングでホコリを落とし、黒ずみにはスニーカー用消しゴム、全体の汚れにはスウェード対応クリーナーを使うのが基本です。
洗浄後は日陰でしっかり乾燥させ、保湿や毛並みの調整、防水スプレーまで行うことで、柔らかな質感ときれいな状態を長く保ちやすくなります。
落ちない汚れを無理に擦ったり、水や家庭用洗剤で丸洗いしたりするのは禁物。素材の状態を確認しながら、少しずつケアを進めていきましょう。
また、別記事にて全素材の洗い方や家庭用洗剤の使用可否など、スニーカークリーニングについて網羅的にまとめています。
本記事にて紹介した素材以外のスニーカーをクリーニングする際は、ぜひこちらも参考にしてみてください。










