ファッションの一部として、またはメインとして。
ブームの影響もあり、スニーカーはここ数年でファッションにおいてかなり注目される対象になりました。
ただ、スニーカーは常に地面と接することから「汚れ・傷」など劣化の原因となるものと密接な関係にあり、きれいな状態を維持するには適切な保存方法を知っておくことが大切です。
保存方法を誤ると、スニーカーが加水分解を起こしたり、色褪せや傷みが進行してしまうなど、スニーカーの寿命を縮めることに繋がってしまいます。
では、スニーカーを長く美しい状態で保つためには、どのような保存方法が最適なのでしょうか?
「綺麗にする=専用クリーナーを使う」など、メンテナンスの知識はなんとなくある方でも「保存」と言われるとピンとこない方は多いかもしれません。
そんな方のために本記事では、スニーカーの劣化を防ぐための基本的な保存方法や注意すべきポイントを具体的にご紹介します。
お気に入りのスニーカーと長く付き合っていくために、ぜひ参考にしてみてください。
スニーカーが劣化する原因
まずはスニーカーの劣化に繋がる原因を知っておきましょう。
劣化には様々な要因がありますが、ここでは代表的な3つを抜粋してご紹介します。
これらがスニーカーにどんな影響を与えるか、関係性を踏まえて解説していきます。
湿気:加水分解の原因
スニーカーにとって1番の大敵が「湿気」です。
湿気を原因とする劣化で有名なのが、スニーカーのソール(靴底)がボロボロになってしまう加水分解。
スニーカーはクッション性や軽量化のために、ソール部分に発泡ウレタンなどの素材を用いることが多く、発泡ウレタンの製造過程でできる小さな穴に湿気が入り込むことで素材の劣化が進みます。
その結果、ソール部分がボロボロになってしまったり、ソールと本体をくっつけている接着剤を劣化させ、ソールそのものが剥がれてしまうこともあります。
湿気は他にもスニーカーの「嫌な匂い」の原因に。
生乾きの洗濯物と同じく湿気により雑菌が繁殖し、中々取れない嫌な匂いを発生させてしまいます。
傷、汚れの蓄積:落ちない汚れの原因
地面と常に近い距離にあるスニーカーは、どうしても小さい砂粒や泥が付きやすくなってしまいます。
汚れが表面を軽く傷つけ、そこに蓄積されることで更に傷が付き、最終的にはクリーナーを使っても落とすことのできない傷汚れとなってしまいます。
また、メッシュ素材のスニーカーについた泥や油などを放置すると、生地の奥深くに汚れが入り込んでしまったり、生地自体に汚れが定着してしまい、個人での解決が難しいレベルにまでなってしまうこともあります。
紫外線:色褪せの原因
白いスニーカーが分かりやすいですが、黄ばんでしまうのは主にこの紫外線が原因。
紫外線という強いエネルギーによりスニーカーの染料が分解されてしまい、変色することで黄ばみや色褪せなどに繋がります。
「紫外線=直射日光」と考えがちですが、実は室内の照明からも紫外線は出ています。
そのため室内保管であっても、黄ばみや色褪せと無縁とは言えず、注意が必要です。
スニーカーの保存方法を実践する前の下準備
スニーカーの保存状態に大きく関わってくるのがこの保存前の準備。
劣化を防ぐと同時に、綺麗さを保つためにはしっかりとした準備が必要です。
じゃあ一体何の準備が必要かというと、答えはとてもシンプル。できる限りクリーニングで汚れを落とす。
これがスニーカーの状態良く保存するためのコツです。
保存前のクリーニングが鍵
スニーカーが劣化する原因のところでも解説した通り、外で履いたスニーカーには細かい砂や泥、湿気などの水分のような、目に見えない劣化要因がたくさんある状態です。
汚れにしろ、湿気にしろ、そのまま放置していてはスニーカーに定着してしまう恐れもあり、保存前はできる限りそれらの原因を除去しておくことが大切。
メッシュ、キャンバス、合皮、ヌバックなどなど、スニーカーの素材によって適した方法が存在するため、自分が保存しておきたいスニーカーに合わせたクリーニングを行いましょう。
クリーニング後はしっかりと乾燥させる
スニーカーを丸洗いするわけではないですが、クリーナーを使用すると多少なりとも水分が残ります。
クリーニング直後に密封や閉鎖空間に保存してしまうと、一番気をつけないといけない「湿気」とともに閉じ込めてしまうことになります。
せっかくしっかりとクリーニングをしたのに、湿気を除去しきれずに保存してしまっては作業が水の泡です。
クリーニング後は風通しのいい場所で完璧に乾燥させてから保存するようにしましょう。
乾燥で天日干しをする場合、紫外線による変色リスクがありますので、長くても30〜40分程度に留めておくのがおすすめです。
スニーカーの正しい保存方法
これまではスニーカーを保存するにあたっての劣化原因や注意点について解説してきました。
この項目では、それらを踏まえながら本記事のメインである「スニーカーの正しい保存方法」について、具体的に解説していきます。
入念にクリーニング、乾燥を実施したら下記の順番で保存に移っていきます。
詳しく解説していきます。
湿気対策
クリーニング後にしっかりと乾燥を行ったのにまた湿気対策?
こんな風に思ってしまいがちですが、湿気は室内の空気中にも存在するため、もちろん対策が必要です。
クリーニングを終えてしっかりと乾燥させた後は、その乾燥状態を維持するために「シリカゲル」のような乾燥剤をスニーカーと一緒に保存します。
そうすることで空気中の湿気も乾燥剤が吸湿してくれるため、スニーカーを湿気から守ってくれます。
1つ注意点として、乾燥剤の吸湿効果は時間とともに落ちていくため、定期的に交換が必要なアイテム。
そのため「長持ちする、コスパの良い」乾燥剤を使うことがおすすめです。
保存で使うアイテムの選定
- 乾燥剤
- 型崩れ防止用のシューキーパー
- 埃防止、湿気対策としてのラッピングフィルム
- インテリアとしても楽しめるシューボックス
湿気対策で使用する乾燥剤のほかにも、上記のように保存に特化した専用アイテムがあります。
自分が保存したいスニーカーが【どのくらいの頻度で履くのか】によって、保存時に使うアイテムを選ぶのが良いでしょう。
ボックスやラッピングフィルムには、UVカット対応の物があります。
室内に保管する際でも照明による変色が起こりますので、変色を防ぎたいという方はそういったアイテムを上手に活用することがおすすめです。
保存場所の選定
先ほど例として紹介しましたが、【どのくらいの頻度で履くのか】によって保存する場所を決めましょう。
- 履く頻度の高いもの → ボックス(または靴棚)+乾燥剤
- 履かずにコレクション → ラッピング+乾燥剤+シューキーパー+ボックス
上記のようにスニーカーごとに保存方法を変えることで、スニーカーを履く時に煩わしさが無く良い状態を保つことが可能です。
ラッピングをしない際のワンポイントとして、湿気は下へ溜まりやすいためなるべく高い位置の保存場所がおすすめです。
スニーカー保存には正しい方法がマストな理由
1つ前の項目でスニーカーが劣化する主な原因について解説しました。
それらを踏まえると、スニーカーを保存するにあたって、なるべく劣化をしないようにするには正しい方法で保存をすることがマストです。
理由は下記の2つです。
どういうことか、具体的に解説していきます。
対策無しはスニーカーの劣化を早める
基本的にスニーカーは玄関で脱ぎ履きをするもの。
そのまま置きっぱなしの人もいれば、靴棚にしまう人もいるはずです。
ただ、よくよく考えてみると玄関は湿気が溜まりやすい場所ですよね。
- 狭い空間のため通気性が十分でない
- 濡れた傘や靴を置いておく
- 外との気温差により扉が結露する
上記はあくまで一例ですが、少し考えただけでもスニーカーにとって大敵な「湿気」が他の場所と比べて多い傾向にある空間であることが分かります。
かといって、何の対策もせずに部屋の中に持ち込むだけでは不十分です。
- 照明や窓から差し込む日差しによる変色
- 埃の堆積
- 生活臭の匂い移り
このように例え室内であっても、スニーカーを劣化させる原因はたくさんあるのです。
リセールバリューが下がる
レアなスニーカーであればあるほど、スニーカーが綺麗な状態であることが求められます。
リセールサイトの出品欄にも、商品の状態として「未使用に近い」という項目があるほどです。
せっかくレアなスニーカーなのに、劣化して状態がひどいために価格がかなり低いなんてショックですよね。
新品の状態に近ければ近いほど高くリセールすることに繋がるため、着用時はもちろん保存時であっても劣化対策はマストな訳です。
ここまででスニーカーの劣化原因や、保存するにあたって正しい方法がマストな理由について解説してきました。
対策すべきことが分かったので、次の項目からは本記事のメインである、スニーカーを保存するための正しい方法について解説していきます。
スニーカー保存におすすめなグッズ
スニーカーを保存する際に役立つアイテムとして、下記のようなものがあります。
- クリーナー
- 乾燥剤
- ラッピングフィルム
- シューボックス
これらのアイテムには、同じジャンルの製品において基本的な性能こそ共通するものの、製品ごとに違った特徴があります。
どんな状況でも使えるスタンダードな物から、かなりこだわりたい方向けのものもあるため、今回はKicksWrapの製品の中からそれぞれ特徴を紹介していきます。
クリーナー
→泡で出てくるタイプのクリーナーのため、水が不要のお手軽クリーナー。
きめ細かい泡のため、スニーカーに付着した汚れを優しく落とすことができます。
対応素材も幅広く、とりあえず1つあれば対応できるスタンダードタイプです。
→スタンダードタイプのForm Cleanerの性能に加え、Premiumでは素材にうるおいを与えるヒアルロン酸を3%配合。
合皮のひび割れなどを防止したり、ヌバックのような起毛革といったデリケートな素材に最適。
もちろんスニーカーに限らず、手持ちの革製品には同等の効果を発揮するため、名前の通りPremiumなシュークリーナーとなっています。
乾燥剤
→多孔質シリカゲルという穴がたくさん空いたシリカゲルにより、より多くの湿気を吸着。
加えて入れ物のクラフト紙にはパンチング加工がしてあることで、多孔質シリカゲルの吸湿性を十分に活かすことができる構造になっています。
なんといっても1足あたり200円で使用できるため低コストで乾燥剤を使用可能。
使用環境によっては最長18ヶ月も効果が持続するため、かなりコスパに優れたスニーカー用乾燥剤です。
ラッピングフィルム
→透明度が高く、フィルム強度が高いため、収縮した際にスニーカーを美しく見せることが可能です。
他のシュリンクフィルムと決定的に違うのは、通常フィルム全体にある穴をつま先部1箇所のみとすることで限界まで外気を遮断し、湿気や匂い、埃などをカットすることができます。
→基本的な性能はスタンダードモデルのKicksWrapと同等です。
しかしPremiumは、スタンダードよりも0.01mm厚い0.03mm厚のフィルムとなっており、より強度が増しています。
そして決定的に違う点として「UVカット」性能が搭載。
日差しはもちろん照明から発せられる紫外線を90%カットすることができるため、
【湿気、埃、匂い、日焼け】といった要因をこれ1枚で防止することができます。
シューボックス
→ボックス内に入れておくことで埃を防ぐことはもちろん、直接的に臭いや湿気に触れるのを防ぐことができます。
Acrylic Caseが他のシューボックスと違う点として、3.5mm厚のアクリルを採用することで「重厚感」「高級感」を演出。
この厚みでも透明感が高く、スニーカーの見た目を損なうことなく収納できます。
さらに高さが21cmあることで、US12(30cm)のAJ1を【立てて】収納可能です。
まとめ
本記事では「スニーカーの正しい保存方法」について解説してきました。
残念ながらスニーカーには寿命があり、購入してから長くても10年でダメになってしまうことがほとんど。
湿気の多い日本の環境では、5年程度で加水分解してしまうなんてこともあります。
しかし、しっかりとメンテナンスをし、正しい保存方法を実践することで、スニーカーの劣化を遅らせることができ、お気に入りのスニーカーを長く楽しむことができます。
正直手間がかかることは否めませんが、その分手入れをしていくことによって愛着が湧き、より一層お気に入りのスニーカーが好きになるはずです。
ぜひ、正しい保存方法でご自分のスニーカーを劣化から守ってあげてください。
本記事については以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。